2010年に誕生した本作は、伝統的に香や儀式で用いられてきた希少なウードに現代的な解釈を加えた香りとして設計されている。トップではブラックベリーとサフランが鮮烈に立ち上がり、官能的かつスパイシーな第一印象をもたらす。続くハートではクラリセージのハーバルな清涼感とレザーアコードが洗練された野性味を添え、中核に深みを与える。ラストにはパチョリ、パウダリームスク、そしてウードが重なり合い、時間とともに肌に溶け込むような温かみと静謐をもたらす。名称「Accord Oud」は、ウードを主軸に果実的・スパイス・ハーバル・レザー・ムスクといった多彩な要素を調和させる意図を示し、記憶と現代性、官能と内省が交錯する体験を提供することを暗示する。香調プロセスには、インドのサンスクリット経典にも記録されるウードの神秘性や精神的意義への敬意を織り込みつつ、ミニマリズムを体現するByredoらしい洗練が加えられている。詩的に香りの移ろいを描写し、異文化の記憶や深い余韻を体感させる一品である。