砂漠の夜明けを思わせる景色を香りで描く本作は、2024年に発表され、新たな創造性と静かな覚醒を象徴する一品として迎えられた。トップではカルダモンの甘くスパイシーな立ち上がりと、ローズペタルの繊細でみずみずしい華やかさが重なり、乾いた大地にもたらされる朝の清涼感を呼び起こす。ミドルにはシダーウッドとサンダルウッドが温かみのあるウッディノートとして広がり、砂漠の熱気と静寂のはざまに漂う深い落ち着きを演出する。ラストではベチバーとシルクムスク、パピルスが余韻を紡ぎ、夜明けの最初の光が乾いた地面をそっと温めるような、ドライでありながら心地よい安堵感を残す。名称「Desert Dawn」は、“孤独な空間で湧き上がる無限の創造力”や、“終わりなき探求の一瞬”を暗示し、香り全体には再生や内的対話、自然と自己の融合といった抽象的メッセージが込められている。主要原料の具体的な産地は公式上非開示だが、カルダモンやローズ、ウッディノートがそれぞれ砂漠や乾燥地帯の厳しい環境と対比的に響き合うよう香調されており、香調プロセスでは創造的なインスピレーションとして砂漠の風景や夜明けの儀式的な瞬間が構造に組み込まれている。日本発売時には秋の新作として注目を集め、温かみのあるウッディスパイスという印象がメディアや愛用者の間で話題となった。中立的かつ詩的に香りの移ろいを描写し、日常の中にある“新たな目覚め”を感じさせる一品である。